デジタル大辞泉
「牡丹」の意味・読み・例文・類語
ぼ‐たん【×牡丹】
1 ボタン科の落葉低木。高さ1~2メートル。葉は大きく、羽状複葉で、互生する。5月ごろ、白・紅・紫・黄色などの大形の花が咲く。花びらは5~8枚あるが、重弁や二段咲きなどさまざまな園芸品種があり、寒牡丹もある。根皮を漢方で女性の浄血薬などに用いる。中国の原産で、古くから栽培。花の王とよばれ、二十日草・深見草・名取草などの異称もある。ぼうたん。《季 夏》「―散りてうちかさなりぬ二三片/蕪村」
2 紋所の名。1の花や葉・枝などを図案化したもの。種類が多い。
3 襲の色目の名。表は白、裏は紅梅。女房の衣では、表は薄い蘇芳、裏は白。ぼうたん。
4 《「獅子に牡丹」の「獅子」を「猪」にとりなしていう》イノシシの肉。
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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ぼ‐たん【牡丹】
- 〘 名詞 〙
- ① ボタン科の落葉低木。中国原産で、古く日本に渡来し、観賞用として庭に植えられる。高さ〇・六~一・八メートル。葉は二回羽状複葉で有柄。各小葉は卵形か披針形で二~三裂する。春、梢上に径二〇センチメートルぐらいの大形の重弁花を一個つける。花は紅・紅紫・黒紫・桃・白色などで変化が多い。根皮は頭痛、関節炎、リウマチ、婦人病などの薬として煎服(せんぷく)される。漢名、牡丹。はつかぐさ。ふかみぐさ。なとりぐさ。やまたちばな。ぼうたん。ぼうたんぐさ。《 季語・夏 》
▼ぼたんの芽《 季語・春 》
- [初出の実例]「色即為二貞白一、名猶喚二牡丹一」(出典:菅家文草(900頃)四・法花寺白牡丹)
- [その他の文献]〔白居易‐惜牡丹花詩〕
- ② 襲(かさね)の色目の名。表は白、裏は紅梅。また、女房の衣の場合は表は薄蘇芳、裏白。四月に用いる。ぼうたん。
- [初出の実例]「ぼたんの衣 表白、裏紅梅、かさねもあるべし」(出典:俳諧・滑稽雑談(1713)四月)
- ③ 紋所の名。①の花を種々にあしらったもの。裏牡丹、津軽牡丹、近衛牡丹、杏葉牡丹など種々ある。
裏牡丹@近衛牡丹@津軽牡丹@杏葉牡丹
- [初出の実例]「牡丹の旗、扇の旗、只二流れ差揚て」(出典:太平記(14C後)一七)
- ④ ( 「獅子に牡丹」の「獅子」を「猪(いのしし)」にとりなしていう ) 猪肉の異称。
- [初出の実例]「牡丹(ボタン)といへば看板に、偽りのねえ吸ひ物の、一杯くはせたこの獣物」(出典:歌舞伎・四天王楓江戸粧(1804)四立)
- ⑤ 遊女。
- [初出の実例]「地女房を唯きたながる牡丹好」(出典:雑俳・銀土器(1716‐36))
- ⑥ 花札で六月を表わす札。牡丹に蝶の図柄の一〇点札、牡丹に短冊の五点札各一枚と、一点札二枚がある。
ぼう‐たん【牡丹】
- 〘 名詞 〙
- ① =ぼたん(牡丹)①《 季語・夏 》
- [初出の実例]「露台の前に植ゑられたりけるほうたんの、唐めきをかしき事」(出典:能因本枕(10C終)一四六)
- ② =ぼたん(牡丹)②
- [初出の実例]「ぼうたん おもてみなうすきすはう。うらみなしろし。すずしのひとへ」(出典:満佐須計装束抄(1184)三)
- ③ 御所の女中の小袖。練貫(ねりぬき)に金銀の箔(はく)で絵模様を置き、また繍(ぬい)をして、赤い裏をつけたもの。
- [初出の実例]「四月には、ぼうたんと申物めし候」(出典:簾中旧記(1521頃か))
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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ぼたん【牡丹】
いのししの肉。◇肉食が禁じられていた近世の隠語。「獅子に牡丹」の獅子をいのししに置き換えたもの。「ぼたん肉」ともいう。
出典 講談社和・洋・中・エスニック 世界の料理がわかる辞典について 情報
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牡丹 (ボタン・ボウタン)
学名:Paeonia suffruticosa
植物。ボタン科の落葉低木,園芸植物,薬用植物
牡丹 (ボタン)
植物。スベリヒユ科の一年草,園芸植物。マツバボタンの別称
出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報
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普及版 字通
「牡丹」の読み・字形・画数・意味
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
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