…最古の写本とされる金沢市の谷村家本(2巻,重要文化財)にも表題はなく,古くは《前栽秘抄(せんざいひしよう)》と呼ばれていた。関白藤原頼通の庶子で修理大夫(修理職(しゆりしき)の長官)となり,伏見の自邸が名園で知られた橘俊綱(たちばなのとしつな)(1028‐94)が,若年より頼通の邸宅高陽院(かやのいん)をはじめ,多くの貴族の作庭を見聞し,かつ自らの体験をもとに,当時の口伝等をまとめた記録より編集したものとされている。その内容は寝殿造系庭園の形態と意匠に関して,全体の地割りから池,中島,滝,遣水(やりみず),泉,前栽(せんざい)などについて詳述しあますところがない。…
…伏見山は木幡(こはた)山ともいい,この地がのちに豊臣秀吉の伏見城となり,さらに明治天皇陵となった。その南麓に延久年間(1069‐74)藤原頼通の子,橘俊綱が造営した伏見山荘は1093年(寛治7)焼失したが,高陽(かや)院,石田殿とともに三名勝とされていた。 山荘に付属した土地は藤原氏の荘園であったらしく,1160年(永暦1)後白河院庁下文(くだしぶみ)には,〈彼庄領主俊綱以下,雖多其数,数十余年〉とある。…
※「橘俊綱」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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