淵瀬(読み)ふちせ

精選版 日本国語大辞典「淵瀬」の解説

ふち‐せ【淵瀬】

〘名〙
と瀬。水の深い所と浅い所。
※万葉(8C後)九・一七一七「三川の淵瀬(ふちせ)もおちず小網(さで)さすに衣手濡れぬ干す児は無しに」
② (渡りやすい瀬と渡りにくい淵を見わける判断力の意) 物事の理非、適否などを判断すること、またその能力。多く「淵瀬も知らず」の形で用いる。
※宇津保(970‐999頃)藤原の君「をさなき子に文をとらせて、ふちせもしらせず責めさするは、かしこきわざかな」
③ (「古今‐雑下」の「の中は何か常なるあすかがは昨日のふちぞ今日は瀬になる〈よみ人しらず〉」などから) 世の中や人事が絶え間なく移り変わって定めないことやその状態をいう。
※伊勢集(11C後)「さだめなき世をきくころの涙こそ袖の上なるふちせなりけれ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉「淵瀬」の解説

ふち‐せ【×淵瀬】

淵と瀬。川の深くよどんだ所と浅くて流れの速い所。
古今集・雑下の「世の中は何か常なる飛鳥川昨日の淵ぞ今日は瀬になる」などから》世の中の移りやすく無常なことのたとえ。「淵瀬のならい」

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

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