清文鑑(読み)しんぶんかん(その他表記)qing-wen-jian; ch`ing-wen-chien

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「清文鑑」の意味・わかりやすい解説

清文鑑
しんぶんかん
qing-wen-jian; ch`ing-wen-chien

中国,清朝の満州語とモンゴル語,漢語などとの対訳辞書の総称。種々ある満州語辞典のなかで代表的なものである。何度も編纂されたが,康煕 47 (1708) 年に康煕帝の命によりマチ (馬斎) ,マルガン (馬爾漢) らの手で編纂された本文 20巻の『御製清文鑑』が最初で,これは満州語の単語を満州語で解釈し,天文部,時令部などに大別分類して並べたものである。雍正 13 (35) 年に,前記辞書に漢語訳を付した『音漢清文鑑』,乾隆8 (43) 年にはモンゴル語訳を付した『御製蒙古清文鑑』が編纂され,同 36年に『御製清文鑑』の単語を大幅に改訂し,満州語訳と漢語訳を併記し,漢語には満州語で発音を付した『御製増訂清文鑑』が編纂された。これは清文鑑のなかでも最も代表的なもので,朝鮮日本にも伝わり,近年の満州語辞典のなかにも取入れられている。さらにこれを基礎に3体 (満,蒙,漢) ,4体 (満,蒙,漢,蔵) ,5体 (満,蒙,漢,蔵,回) 清文鑑が乾隆末年までに作られているが,これらはおのおの3,4,5種の言語の対訳辞典である。版本の少い『御製五体清文鑑』は中華人民共和国で 1957年に復刻され,日本で 66年に京都大学内陸アジア研究所で『五体清文鑑訳解』上下各1巻が出版され,利用しやすくなった。

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「清文鑑」の解説

『清文鑑』(しんぶんかん)

清代にできた満洲語の辞典。康熙(こうき)・乾隆(けんりゅう)時代に数種類つくられたが,満漢対照の『御製増訂清文鑑』が最も基本的で重要。満・漢・蒙・蔵・回の5語対照の『御製五体清文鑑』は特に名高い。

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世界大百科事典(旧版)内の清文鑑の言及

【五体清文鑑】より

…中国,清朝で編纂された満州・モンゴル・漢・チベット・ウイグルの5族の言語の対照語辞典。《清文鑑》ともいう。乾隆帝の勅命により1787‐94年(乾隆52‐59)ころに成り,全36巻。…

※「清文鑑」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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