清酒業(読み)せいしゅぎょう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「清酒業」の意味・わかりやすい解説

清酒業
せいしゅぎょう

清酒を醸造する企業。原料米,仕込み水など優秀な原料が地域的に限定され,また酒造技術も伝統的に受継がれて発展してきたため,優秀な品質をもつ産地も灘,伏見秋田山形盛岡,広島,宮城など特定地域に集中している。かつての酒造りは 11月末から4月までの半年間,農閑期を利用した季節労働者の杜氏によって1年間の全量を製造するという寒造りであったが,近年は冷蔵庫を採用して季節的な制約なく製造することも可能になった。第2次世界大戦後,洋酒類の盛行により一時斜陽化したものの,近年再び漸増をたどっている。なお,大蔵省の品質審査を通ったものを特級酒,1級酒とし,審査もれや審査を受けないものを全部,2級酒としていたが,1989年酒税法改正により清酒の級別制の廃止が決定され,まず清酒の特級が,続いて1,2級が廃止された。

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