渋前村(読み)しぶくまむら

日本歴史地名大系 「渋前村」の解説

渋前村
しぶくまむら

[現在地名]美和町大字渋前

玖珂郡のうち山代やましろ郷南端に位置し、西は萩藩領生見いきみ、南は西畑にしばた、北と東は藤谷ふじたにの各村に接する。南北は山を負うが、平地も多く付近一帯の中心地である。岩国藩領。

「大永ノ記録」(「山代温故録」所収)山代を六郷七畑あるいは五箇八箇村とよぶうちの一つで、「渋前郷」として記され「付、郷畑ともに」とある。「大永ノ記録」とほぼ同様のことを記した「竹内正虎記録」(「山代温故録」所収)は「但し本在名は志武沼といふ」と記す。伊勢神宮御師の守札配付の覚帳である中国九州御祓賦帳の永禄七年(一五六四)分に「しふくま とうしやう(東勝)寺」とある。「閥閲録」には、弘治二年(一五五六)の毛利元就父子の書状に「志不前」とあり、同じ頃の助藤文書には「志福万郷」とある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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