湯奥村(読み)ゆのおくむら

日本歴史地名大系 「湯奥村」の解説

湯奥村
ゆのおくむら

[現在地名]下部町湯之奥ゆのおく

毛無けなし山の西麓、下部川(湯川)の最上流部の山間村集落は下部川右岸懸崖上にある。弘治三年(一五五七)一二月二九日の穴山信友判物(恩地文書)に、「湯之奥」とみえ、佐野文三の親が参陣しなかったため湯之奥の恩地を召上げられたが、帯金氏の仲介でわびを入れ返付されている。ただしすでに佐野縫右衛門尉が、天文一二年(一五四三)七月五日に穴山信友から竹藪育成と必要に応じての竹の上納を命じられ(「穴山信友判物」門西正勝家文書)、また弘治二年一一月一五日には山作を命じられていて(「穴山信友判物」門西正勝家旧蔵文書)、同時期と推定される三月二九日の信友朱印状(門西正勝家文書)に「ゆのをく ぬいゑもん方へ」とあるので、当集落の形成は天文期にまでさかのぼれる。縫右衛門尉は湯之奥の佐野さの山・椿草履つばきぞうり山などの山林経営を行って、穴山氏に板材などを上納し、普請役などを免許されていた(前掲弘治二年穴山信友判物など)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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