湯殿始(読み)ゆどのはじめ

精選版 日本国語大辞典 「湯殿始」の意味・読み・例文・類語

ゆどの‐はじめ【湯殿始】

〘名〙
① 新築した湯殿を初めて使用すること。湯始め。
新年になって初めて入浴して身を清めること。また、その儀式。湯始め。
※十輪院内府記‐文明一八年(1486)正月四日「湯殿始也。入夜歯固如形也」
皇子誕生の時、産湯(うぶゆ)をつかわせること。湯始め。→御湯殿の儀式
兵範記‐久寿三年(1156)四月二二日「今日少将児湯殿始也」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の湯殿始の言及

【鳴弦】より

…弓矢の威徳による破邪の法で,後世になるとわざわざ高い音を響かせる引目(蟇目(ひきめ))という鏑矢(かぶらや)を用いて射る法も生じた。平安時代においては生誕儀礼としての湯殿始(ゆどのはじめ)の読書(とくしよ)鳴弦の儀として行われたのをはじめ,出産時,夜中の警護,不吉な場合,病気のおりなどに行われ,また天皇の日常の入浴に際しても行われた。湯殿始には皇子誕生の場合では弦打は五位10人,六位10人を例としたが,他の場合はもっと少なかった。…

※「湯殿始」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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