(1)沐浴(もくよく)には、湯気を出して発汗させる蒸し風呂(ぶろ)形式と、湯を浴びたり湯槽に身体を浸す行水形式のものがあるが、湯殿は後者に入る。入浴するために設けた部屋で、その構造は板敷きで、溝をつくり排水をよくしてある。湯槽が置かれ、別のところで沸かした湯を運び込んで行水する。(2)宮中で天皇が湯浴(ゆあ)みをするところを御(お)湯殿というが、このことばは浴室だけのことでなく、飲用の湯そのほか諸事に使用する湯を沸かしておく座敷も含まれる。湯浴みのための湯もここから持ち運んだ。浴室と区別するため、この座敷をとくに御湯殿上(おゆどののうえ)とよぶことがある。ここには食物などを置くこともあり、また御硯(すずり)、御火鉢、御茶湯棚などにりっぱな調度が整えられてあったともいう。
[稲垣史生]
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
…フロという語は壁に囲まれた部屋を意味するムロ(室)のなまりとの説もある。もう一方の温湯浴の設備,建物に対しては,〈湯屋〉ないし〈湯殿〉が用いられていた。このように〈風呂〉と〈湯〉の言葉はその内容に応じてはっきりと区別され,中世の後半から近世にかけて都市で普及する〈銭湯〉でも,その施設内容により〈風呂屋〉と〈湯屋〉は区別して用いられている。…
※「湯殿」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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