朝日日本歴史人物事典 「源倫子」の解説
源倫子
生年:康保1(964)
平安中期の貴族の女性。藤原道長の外戚政権を実質的に完成させた女性。従一位。源雅信と藤原穆子の娘。道長と結婚し,彰子,頼通,妍子,教通,威子,嬉子を生む。幼少期より后がねとして養育されたが,道長に見初められ,父の反対を説得した母の貢献で永延1(987)年結婚,嫡妻となり実家で同居。翌年彰子,正暦3(992)年に頼通,同5年妍子と次々に理想的な出産を遂げる。道長の姉東三条院詮子との仲も良く,長徳4(998)年従三位。長女彰子が一条天皇の中宮になると,長保2(1000)年従二位。その後彰子は敦成親王(後一条天皇),敦良親王(後朱雀天皇)を出産。妍子は三条天皇皇后,威子は後一条天皇皇后となり,男子も摂政,大臣に上った。天皇の外祖母として,従一位,准三宮という臣下女性最高の栄誉を受け,后母として皇后たちに補佐助言を与えた。妍子,威子,夫に先立たれ,出家して法成寺供養などに晩年を送る。90歳の長寿を保ち,没後は夫とは別に,仁和寺の源氏の氏墓に葬られた。<参考文献>岩井隆次「従一位源倫子」(『古代文化』37巻11号)
(服藤早苗)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報