溺・惚(読み)おぼほる

精選版 日本国語大辞典 「溺・惚」の意味・読み・例文・類語

おぼほ・る【溺・惚】

〘自ラ下二〙 (「おぼる(溺)」の古形) 水などにおおい包まれるというのが原義で、そこから物事に夢中になるという意が派生した。
水中に沈む。
書紀(720)神代下(水戸本訓)「潮大きに溢(み)ちて、兄自(みづか)ら投溺(オホホル)
② (「涙におぼほる」の形で) 涙にむせぶ。涙にぬれる。
※後撰(951‐953頃)離別・一三四一「さらばよと別れし時にいはませば我も涙におぼほれなまし〈伊勢〉」
③ 物事に夢中になって、本心を失う。放心する。ぼんやりする。ぼうっとする。
蜻蛉(974頃)下「御霊(みたま)など見るにも、例のつきせぬことにおぼほれてぞはてにける」
④ もっぱらそればかりする。ふける。はまる。
※地蔵十輪経‐元慶七年点(883)三「酒に(オホほ)れたる人を招き誘(たぼろか)して」

おぼお・る おぼほる【溺・惚】

〘自ラ下二〙 ⇒おぼほる(溺)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android