日本大百科全書(ニッポニカ) 「漁業規制」の意味・わかりやすい解説
漁業規制
ぎょぎょうきせい
水産資源保護などのために行われる種々の規制(制限)のこと。漁獲制限ともいう。漁業管理と混同されることがあるが、漁業管理は経済的達成度を高めるために行われるのに対し、漁業規制は水産資源保護のために行われる規制であり、生物学的に資源の有効利用を図るものである。土地が私有される農業と異なり、漁場が共同利用される漁業では、水産資源を自由競争的に漁獲すると、乱獲に陥ったり生産効率が極端に低下することから、古くからいろいろな規制措置がとられてきた。それらを方法別に整理すると、体長(体重)制限、漁区制限、漁期制限、漁具(漁法)制限、漁獲量制限、漁獲努力量制限の六つになるが、実際にはこれらのいくつかを組み合わせて行うのが普通である。現在の漁業規制の詳細については、項目「水産資源管理」を参照。
[編集部]