漆掻き(読み)ウルシカキ

デジタル大辞泉 「漆掻き」の意味・読み・例文・類語

うるし‐かき【漆×掻き】

ウルシ樹皮に傷をつけて、にじみ出る生漆きうるしをへらでかきとって採集すること。また、その職人 夏》
漆を精製するために、生漆攪拌かくはんすること。また、その職人。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「漆掻き」の意味・わかりやすい解説

漆掻き
うるしかき

ウルシの木から漆汁をとることで、山村の副業であったが、17世紀ごろには専業化したものも生まれた。多く出稼ぎである。漆液を器物に塗る漆塗りは古くから行われたが、このころには広く家具調度類に施されるようになり、各地に漆器業が盛んとなった。ウルシは商品作物として幕府諸藩でもその栽培を奨励した。ある程度、成育したウルシの幹に掻き鎌(かま)で切れ目をつけ、そこから噴き出る汁を竹べらでこそげ取り細長い容器に入れた。この漆掻きはかなりの技術を必要としたといわれる。採取、精製した漆は漆問屋へ納入され、塗師(ぬし)は問屋または直接に漆掻きから入手した。なお、ウルシの実からは蝋(ろう)をとった。ろうそくの原料である。

遠藤元男

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