ウルシの木から漆汁をとることで、山村の副業であったが、17世紀ごろには専業化したものも生まれた。多く出稼ぎである。漆液を器物に塗る漆塗りは古くから行われたが、このころには広く家具調度類に施されるようになり、各地に漆器業が盛んとなった。ウルシは商品作物として幕府、諸藩でもその栽培を奨励した。ある程度、成育したウルシの幹に掻き鎌(かま)で切れ目をつけ、そこから噴き出る汁を竹べらでこそげ取り細長い容器に入れた。この漆掻きはかなりの技術を必要としたといわれる。採取、精製した漆は漆問屋へ納入され、塗師(ぬし)は問屋または直接に漆掻きから入手した。なお、ウルシの実からは蝋(ろう)をとった。ろうそくの原料である。
[遠藤元男]
菊の節供,九月節供,重九 (ちょうく) ともいう。五節供の一つ。旧暦9月9日の節供で,奈良時代より,宮中では天皇が紫宸殿に出御し,群臣に宴を賜わり詩歌文章をつくらせる菊花の宴が行われ,年中行事となった...