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 うるし lacquer

翻訳|lacquer

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説


うるし
lacquer

ウルシ (漆) の樹皮と木質部の間から分泌される乳白色の粘りけのある液体。樹皮に傷をつけて採取する。 25~30℃,湿度 75~85%で乾固する。このためには特別な室 (むろ) によって人工的に適温湿を与えなければならない。

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出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉の解説

うるし【漆/漆樹】

ウルシ科の落葉高木。山野にみられ、葉は羽状複葉で、小葉は楕円形。雌雄異株で、初夏、黄色い小花が総状に咲く。果実はほぼ球形で白黄色。樹液から塗料をつくり、果実からは蝋(ろう)をとる。中国の原産で、古くから日本でも栽培。皮膚がかぶれることがある。ウルシ科双子葉植物木本で、樹脂道をもち、約600種が主に熱帯地域に分布。ハゼノキヌルデマンゴーなども含まれる。 花=夏 実=秋》
ウルシの樹皮に傷をつけて採取した樹液(生漆(きうるし))に、油・着色剤などを加えて製した塗料。乾燥すると硬い膜を作り、水や酸に強い。

しつ【漆】[漢字項目]

常用漢字] [音]シツ(漢) シチ(呉) [訓]うるし
〈シツ〉木の名。ウルシ。また、それから採った塗料。「漆器漆黒乾漆金漆膠漆(こうしつ)丹漆
〈うるし〉「漆絵生漆(きうるし)
[難読]漆喰(しっくい)可漆(ベクうるし)

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百科事典マイペディアの解説

漆【うるし】

ウルシから得られる天然樹脂。表皮に傷をつけ浸出する乳液(生漆)を採取する。主成分フェノール誘導体であるウルシオール(側鎖に炭素数15前後の不飽和アルキル基をもつカテコール誘導体)で,ほかに水分,ゴム質,含窒素物および酸化酵素ラッカーゼを含む。
→関連項目蒔絵

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大辞林 第三版の解説

うるし【漆】

ウルシ科の落葉高木。中国・インド原産。日本では古くから植栽される。葉は大形の羽状複葉で枝先に互生する。六月頃、葉腋に黄緑色の小花からなる円錐花序をつける。秋、黄褐色の球形の実がなる。雌雄異株。葉などに触れるとかぶれることがある。樹液から塗料、実から蠟ろうをつくる。
の乳状の樹液をいう。採取したままのものを生漆きうるしといい、成分の80パーセントはウルシオール。空気中では褐色に変色する。これを加温して水分を除き顔料などを加えたものを製漆せいうるしといい、塗料として用いる。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説


うるし
Japanese lacquer

天然樹脂の油性塗料の一つ。日本、中国、ベトナムなどに産するウルシ科の植物ウルシの表皮に切り傷をつけると、傷口から乳白色の乳濁状の樹脂を分泌する。これを生漆(きうるし)という。主成分はウルシオールで、そのほかに似た構造をもつラッコールやチオコールなどや、水分と少量のゴム質を含んでいる。採取の時期や方法、産地によっていろいろな名称があるが、なかでも盛夏から彼岸にかけて採取するものを盛漆(さかりうるし)といい、これはウルシオールが多く、水分が少ない良質のもので、とれる量も多い。日本産と中国産が良品であり、ほかのものはやや劣る。しかし最近では良品のものは得にくくなっている。[垣内 弘]

製法

生漆は、そのまま塗料にしても光沢が悪く、しかも酸化酵素ラッカーゼにより乾燥が早すぎるので、各用途に応じて加工(変性)が必要である。採取直後の生漆は、空気に触れると固化(樹脂化)する。生漆を木窯(きがま)に入れて常温でかき混ぜ、さらに38~40℃で数時間保存すると黒目漆(くろめうるし)が得られる。この工程を素黒目(すぐろめ)といい、主反応は酸化と脱水と考えられている。このほか、あまに油などの油や、種々の顔料(がんりょう)を加えて最終製品の精漆(せいうるし)が得られる。代表的なものに黄鉛(おうえん)を加えた黄漆(きうるし)があり、美しい黄色の塗料である。なお、生漆を70℃程度に加熱すると、ラッカーゼが作用しなくなり、固化しにくくなる。しかし130℃程度に熱すると、重合反応をおこして固化する。これを焼漆(やきうるし)という。[垣内 弘]

用途

漆は日本や中国で古くから金属や木工塗装用として用いられてきた。とくに黒目漆は漆器類に現在でも珍重されている。漆の塗膜は硬く、付着性、耐水性、光沢などに優れているが、耐候性に乏しく乾燥が遅いなどの欠点がある。生漆からゴム質を除いて加工した漆は焼付け塗料としても用いられる。しかし安価な合成樹脂塗料の発達に伴い、高価で塗布技術に熟練を要する漆は、おもに美術工芸品に使用されている程度で、その使用量は減少している。
 なお、漆を手や顔につけるとウルシオールの作用でかぶれを生ずる。[垣内 弘]
『松田権六著『うるしの話』(岩波新書)』

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