漆経塚(読み)うるしきようづか

日本歴史地名大系 「漆経塚」の解説

漆経塚
うるしきようづか

[現在地名]美杉村下多気 漆大堂

雲出くもず川とその支流八手俣はてまた川に挟まれた標高約五五〇メートルの準平原にある、御壺みつぼ山とよばれる独立丘陵上につくられた平安時代末期の経塚。高所たかんじよ(七七二メートル)の南東麓にあたり、漆地区の集落との比高約一〇メートル。昭和九年(一九三四)当地に金鶏伝説があったところから何人かによって掘返され、埋納品が出土したため、さらに漆区の人たちが発掘を進めた。発掘関係者の後の報文によれば、丘陵頂部の経塚を中心に径約五メートルの環状に何基かの経塚が接近してつくられており、とくに中央部の経塚は地表下約一メートルのところに自然石を組んで小石室をつくっていたようだ。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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