潤ふ(読み)ウルウ

デジタル大辞泉 「潤ふ」の意味・読み・例文・類語

うる・う〔うるふ〕【潤ふ】

[動ハ四]うるおう」に同じ。
「天の下富緒川とみのをがはの末なればいづれの秋か―・はざるべき」〈栄花・日蔭のかづら〉
[動ハ下二]うるおす」に同じ。
一提ひとひさげばかりの水をもて、喉を―・へよ」〈宇治拾遺・一五〉

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精選版 日本国語大辞典 「潤ふ」の意味・読み・例文・類語

うる・ううるふ【潤・霑】

  1. [ 1 ] 〘 自動詞 ハ行四段活用 〙
    1. 湿りけを帯びる。ぬれる。うるおう。
      1. [初出の実例]「頭べ津(ウルヒ)膩つき、夢に水白き物を見む」(出典:西大寺本金光明最勝王経平安初期点(830頃)九)
    2. 恵みを受ける。恩恵をこうむる。
      1. [初出の実例]「将門の事既に恩沢に霑(ウルヘリ)」(出典:将門記承徳三年点(1099))
  2. [ 2 ] 〘 他動詞 ハ行下二段活用 〙 水気を含ませる。ひたす。ぬらす。うるおす。
    1. [初出の実例]「先づ水を飲て喉を潤へよと思食(おぼしめ)すなめりと」(出典:今昔物語集(1120頃か)四)

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