濫がわしい・猥がわしい(読み)みだりがわしい

精選版 日本国語大辞典 「濫がわしい・猥がわしい」の意味・読み・例文・類語

みだり‐がわし・い ‥がはしい【濫がわしい・猥がわしい】

〘形口〙 みだりがはし 〘形シク〙 (「がわしい」は接尾語)
秩序規律作法に反するさま。みだれがまし。みだれがわし。
※蘇悉地羯羅経延喜九年点(909)「洗浴せむ時には(ミタリガハシク)談話すること勿れ」
② 整然としていないさま。乱雑であるさま。
落窪(10C後)一「臭き物どものならびゐたる、いみじうみだりがはしうてなん」
思慮分別がないさま。
※法華義疏長保四年点(1002)五「審に思はずして、妄(ミダリガハシク)仏を咎めたり」
④ 心の平静を失っているさま。とり乱しているさま。
源氏(1001‐14頃)行幸「何事も、心やすきほどの人こそ、みだりがはしうともかくもはべべかめれ」
⑤ 男女関係が乱れているさま。みだらなさま。みだりがましい。
※源氏(1001‐14頃)葵「世の中の御物語などまめやかなるもまたれいのみだりがはしき事をもきこえいでつつ」
みだりがわし‐げ
〘形動〙
みだりがわし‐さ
〘名〙

みだれ‐がわし・い ‥がはしい【濫がわしい・猥がわしい】

〘形口〙 みだれがはし 〘形シク〙 =みだりがわしい(濫━)
霊異記(810‐824)中「濫(ミダレガハシ)供養(も)る処に就きて〈国会図書館本訓釈 濫 ミタレカハシ〉」
みだれがわし‐げ
〘形動〙

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