火中(読み)かちゅう

精選版 日本国語大辞典 「火中」の意味・読み・例文・類語

か‐ちゅう クヮ‥【火中】

〘名〙
① 火のなか
将門記(940頃か)「火を遁れて出る者、矢に驚きて還り、火中に入りて叫喚す」 〔梁書‐諸夷伝・海南諸国・扶南
② (━する) 火の中に入れて灰にすること。古く手紙の末に、読後焼却を求めて「火中」「火中火中」などと書くことがある。
※俳諧・千宜理記(1675)三「文ならぬいろはもかきて火中哉〈芭蕉〉」

ほ‐なか【火中】

〘名〙 燃えている火の中。
古事記(712)中・歌謡「燃ゆる火の 本那迦(ホナカ)に立ちて 問ひし君はも」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「火中」の意味・読み・例文・類語

か‐ちゅう〔クワ‐〕【火中】

[名](スル)
燃えている火の中。
火の中に物を入れて焼くこと。
貫一は例に因りて封のまま―してけり」〈紅葉金色夜叉

ほ‐なか【火中】

火の中。火の燃える中。
「さねさし相模の小野に燃ゆる火の―に立ちて問ひし君はも」〈・中・歌謡〉

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