火取り(読み)ヒトリ

デジタル大辞泉 「火取り」の意味・読み・例文・類語

ひ‐とり【火取り/火採り】

香をたきしめるのに用いる香炉漆器の中に銀や銅または陶器で作った炉を置き、上から銀・銅のかごで覆ったもの。火取り香炉。
おこした炭火などを運ぶのに使う道具
火取りのわらわ」の略。

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精選版 日本国語大辞典 「火取り」の意味・読み・例文・類語

ひ‐とり【火取・火採】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 香をたきしめるのに用いる香炉。漆器の中に銀や銅、または陶器でつくった炉を置き、上から銀、銅の籠(かご)でおおったもの。火取香炉。〔十巻本和名抄(934頃)〕
    1. 火取<b>①</b>〈枕草子絵巻〉
      火取枕草子絵巻
    2. [初出の実例]「ちいさきひとりとりよせて袖にひきいれてしゐ給へり」(出典:源氏物語(1001‐14頃)真木柱)
  3. ひとり(火取)の童」の略。
    1. [初出の実例]「さてあてたらんひとり、水取ばかり参らせて、我は参らじとなむ思ふ」(出典:讚岐典侍(1108頃)下)

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