火須勢理命(読み)ほすせりのみこと

改訂新版 世界大百科事典 「火須勢理命」の意味・わかりやすい解説

火須勢理命 (ほすせりのみこと)

日本神話にみえる神の名。記紀神話で,天孫の瓊瓊杵(ににぎ)尊と山神の女の木花開耶姫(このはなのさくやびめ)との間に生まれた3子の一人。火進(ほすすみ)命という別名を参照すれば,火を放たれた産屋(うぶや)の焰が盛りのときに生まれたための命名と考えられる。元来は稲穂にちなむ名であろう。その兄火照(ほでり)命と弟火遠理(ほおり)命葛藤の話が《古事記》の海幸・山幸物語である。ただし《日本書紀本文では,ホスセリが第1子山幸とされ,第2子ヒコホホデミ(ホオリ)と争う話になっている。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android