灯浮標(読み)トウフヒョウ(その他表記)light buoy

関連語 名詞

日本大百科全書(ニッポニカ) 「灯浮標」の意味・わかりやすい解説

灯浮標
とうふひょう
light buoy

船舶岩礁・浅瀬などの障害物の存在を知らせたり、航路を示すために、錘(おもり)や錨(いかり)で海底の定位置につないで海面に浮かべた構造物で、灯光を発するものをいう。昼夜を問わず有効なように、昼間は標体や頭標の塗色と形により、夜間は光の色や光の出し方によって浮標設置の目的・意味を航海者に知らせるようになっていて、これを浮標式という。各国の浮標式がばらばらでは、航海者に混乱を与え、海難の原因ともなるので、国際的に統一されている。

 灯浮標は主として内海や港の内外などで用いられ、光力も弱く、光達距離も3~7海里程度である。

[川本文彦]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の灯浮標の言及

【航路標識】より


[航路標識の種類]
 (1)夜標 灯火によってその位置を示し,特定の灯光信号を発して,主として夜間航行の目標とするが,昼間の目標としても十分効力のある構造と彩色を備えている。夜標の種類としては,遠距離からの目標あるいは港湾および沿岸航路の標識となる灯台,暗礁や浅瀬上に設置し,乗揚げを予防する灯標,暗礁や浅瀬を示し乗揚げを予防し安全な航路を表示するブイ形式の灯浮標,沖合または航路上重要な位置に定置する灯船,航行困難な狭水道や狭い湾口,港口などの航路線を2個以上の標識で示す導灯,狭水路などを安全航行できるように可航水路を白光で,その外側危険水域を緑光および紅光で示す指向灯,険礁,防波堤先端などの危険物付近海面を照射する照射灯などがある。航路標識の灯火は一般の灯火と識別しやすいように,また付近にある他の航路標識との誤認を避けるために特定の灯火の色と発射状態(灯質)を決めている。…

※「灯浮標」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android