三好十郎(みよしじゅうろう)の戯曲。五幕。1940年(昭和15)『文学界』6~8月号に連載、同年桜井書店刊。同年3月、八田元夫(はったもとお)演出、丸山定夫・日高ゆりえ主演により新築地(つきじ)劇団が初演。戦争が拡大する時期、転向した画家久我(くが)五郎は貧乏と闘い、画業を捨てて、肺を病む妻美緒(みお)を看護する。美緒の母親などの利己的な言行に打ちのめされるが、周辺の人々の好意にも支えられ、ついに絵筆をとり始める。しかし、美緒の病は急変し、五郎が朗読する『万葉集』の歌を聞きながら息を引き取る。33年に病死した作者の妻操(みさお)との体験を踏まえて発表されたもので、作者自身「イッヒドラマ(私戯曲)」というが、絶望に直面した人間の救済を見つめた力作である。
[祖父江昭二]
『『三好十郎の仕事2』(1968・学芸書林)』
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[航路標識の種類]
(1)夜標 灯火によってその位置を示し,特定の灯光信号を発して,主として夜間航行の目標とするが,昼間の目標としても十分効力のある構造と彩色を備えている。夜標の種類としては,遠距離からの目標あるいは港湾および沿岸航路の標識となる灯台,暗礁や浅瀬上に設置し,乗揚げを予防する灯標,暗礁や浅瀬を示し乗揚げを予防し安全な航路を表示するブイ形式の灯浮標,沖合または航路上重要な位置に定置する灯船,航行困難な狭水道や狭い湾口,港口などの航路線を2個以上の標識で示す導灯,狭水路などを安全航行できるように可航水路を白光で,その外側危険水域を緑光および紅光で示す指向灯,険礁,防波堤先端などの危険物付近海面を照射する照射灯などがある。航路標識の灯火は一般の灯火と識別しやすいように,また付近にある他の航路標識との誤認を避けるために特定の灯火の色と発射状態(灯質)を決めている。…
…水面上に浮かんで位置を標示する浮体をいい,標示内容や方法に応じて浮標,浮環,浮具などとも呼ばれる。ブイには航路標識の浮標や係船浮標のように係留されるものと,救命浮環のように係留されないものとがある。…
※「浮標」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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