浮標(読み)ブイ

デジタル大辞泉 「浮標」の意味・読み・例文・類語

ブイ【浮標】[戯曲]

三好十郎戯曲。昭和15年(1940)、新築地劇団八田元夫演出初演日中戦争が近づく時代を背景に、病に倒れた妻を看病する画家苦悩を描く。

ふ‐ひょう〔‐ヘウ〕【浮標】

港湾河海などの水面に浮かべておく標識暗礁所在航路錨地びょうちなどを知らせる航路標識用と、係船用がある。ブイ
漁網などについている浮き。

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精選版 日本国語大辞典 「浮標」の意味・読み・例文・類語

ふ‐ひょう‥ヘウ【浮標】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 港湾・河川湖沼・海などの水面の特定の場所に浮かべる標識。航路・錨地・暗礁・浅瀬などを知らせる航路標識用のものと、船舶をつなぎとめるための繋留浮標とがある。ブイ。
    1. [初出の実例]「近来一種浮標といふ物を標とするあり」(出典:小学読本(1873)〈榊原芳野〉一)
  3. 網・漁具などのうき。
    1. [初出の実例]「大きな釣針を借りて来て此れに肉片をさし〈略〉浮標にはライフブイを縛りつけて」(出典:旅日記から(1920‐21)〈寺田寅彦〉五)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「浮標」の意味・わかりやすい解説

浮標(三好十郎の戯曲)
ぶい

三好十郎(みよしじゅうろう)の戯曲。五幕。1940年(昭和15)『文学界』6~8月号に連載、同年桜井書店刊。同年3月、八田元夫(はったもとお)演出、丸山定夫・日高ゆりえ主演により新築地(つきじ)劇団が初演。戦争が拡大する時期、転向した画家久我(くが)五郎貧乏と闘い、画業を捨てて、肺を病む妻美緒(みお)を看護する。美緒の母親などの利己的な言行に打ちのめされるが、周辺の人々の好意にも支えられ、ついに絵筆をとり始める。しかし、美緒の病は急変し、五郎が朗読する『万葉集』の歌を聞きながら息を引き取る。33年に病死した作者の妻操(みさお)との体験を踏まえて発表されたもので、作者自身「イッヒドラマ(私戯曲)」というが、絶望に直面した人間の救済を見つめた力作である。

[祖父江昭二]

『『三好十郎の仕事2』(1968・学芸書林)』


浮標(ブイ)
ふひょう

ブイ

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「浮標」の意味・わかりやすい解説

浮標
ふひょう
buoy

ブイともいう。海上あるいは海中に浮んでいて推進力をもたない構造物。ブイは海底その他の構築物に係留されているものと,海流や風に流されていくものに大きく分けられる。前者は浅瀬や岩の位置の標示などの海難防止のために用いられたり,海底に設置された計器類の位置標示などに用いられることが多い。後者は海流の様子を調査するのによく用いられる。最近では人工衛星によってブイの位置を観測することが可能になり,黒潮などの大海流にブイを投じ,それを追跡することによって黒潮の流路を探る試みがなされている。

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百科事典マイペディア 「浮標」の意味・わかりやすい解説

浮標【ふひょう】

ブイ

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普及版 字通 「浮標」の読み・字形・画数・意味

【浮標】ふひよう

ブイ。

字通「浮」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の浮標の言及

【航路標識】より


[航路標識の種類]
 (1)夜標 灯火によってその位置を示し,特定の灯光信号を発して,主として夜間航行の目標とするが,昼間の目標としても十分効力のある構造と彩色を備えている。夜標の種類としては,遠距離からの目標あるいは港湾および沿岸航路の標識となる灯台,暗礁や浅瀬上に設置し,乗揚げを予防する灯標,暗礁や浅瀬を示し乗揚げを予防し安全な航路を表示するブイ形式の灯浮標,沖合または航路上重要な位置に定置する灯船,航行困難な狭水道や狭い湾口,港口などの航路線を2個以上の標識で示す導灯,狭水路などを安全航行できるように可航水路を白光で,その外側危険水域を緑光および紅光で示す指向灯,険礁,防波堤先端などの危険物付近海面を照射する照射灯などがある。航路標識の灯火は一般の灯火と識別しやすいように,また付近にある他の航路標識との誤認を避けるために特定の灯火の色と発射状態(灯質)を決めている。…

【ブイ】より

…水面上に浮かんで位置を標示する浮体をいい,標示内容や方法に応じて浮標,浮環,浮具などとも呼ばれる。ブイには航路標識の浮標や係船浮標のように係留されるものと,救命浮環のように係留されないものとがある。…

※「浮標」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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