浮標(読み)ふひょう(英語表記)buoy

翻訳|buoy

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

浮標
ふひょう
buoy

ブイともいう。海上あるいは海中にんでいて推進力をもたない構造物。ブイ海底その他の構築物に係留されているものと,海流や風に流されていくものに大きく分けられる。前者は浅瀬や岩の位置の標示などの海難防止のために用いられたり,海底に設置された計器類の位置標示などに用いられることが多い。後者は海流の様子を調査するのによく用いられる。最近では人工衛星によってブイの位置を観測することが可能になり,黒潮などの大海流にブイを投じ,それを追跡することによって黒潮の流路を探る試みがなされている。

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デジタル大辞泉の解説

ふ‐ひょう〔‐ヘウ〕【浮標】

港湾・河海などの水面に浮かべておく標識。暗礁の所在や航路・錨地(びょうち)などを知らせる航路標識用と、係船用がある。ブイ。
漁網などについている浮き

ブイ【浮標】[戯曲]

三好十郎の戯曲。昭和15年(1940)、新築地劇団が八田元夫の演出で初演。日中戦争が近づく時代を背景に、病に倒れた妻を看病する画家の苦悩を描く。

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世界大百科事典 第2版の解説

ブイ【浮標】

三好十郎の戯曲。5幕。《文学界》1940年6~8月号に連載,同年3月,新築地劇団が八田元夫の演出で初演。戦中の酷薄な状況に生きる知識人像を描いた新劇の傑作として知られている。ドラマは,画家の久我五郎が病妻の美緒を看護しつつ,千葉の郊外でひっそりと暮らしているところからはじまる。妻の病状の悪化にともなって,画家としても自信がもてなくなりかけるのだが,〈生きている事が一切だ〉という信条を,亡くなる美緒に語りかける。

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大辞林 第三版の解説

ふひょう【浮標】

船舶の安全航行のために設ける航路標識の一。暗礁や浅瀬あるいは沈船などの存在を示すために、海面に浮かしておく構造物。ブイ。

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精選版 日本国語大辞典の解説

ふ‐ひょう ‥ヘウ【浮標】

〘名〙
港湾・河川・湖沼・海などの水面の特定の場所に浮かべる標識。航路・錨地暗礁・浅瀬などを知らせる航路標識用のものと、船舶をつなぎとめるための繋留浮標とがある。ブイ。
※小学読本(1873)〈榊原芳野〉一「近来一種浮標といふ物を標とするあり」
② 網・漁具などのうき。
※旅日記から(1920‐21)〈寺田寅彦〉五「大きな釣針を借りて来て此れに肉片をさし〈略〉浮標にはライフブイを縛りつけて」

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世界大百科事典内の浮標の言及

【航路標識】より


[航路標識の種類]
 (1)夜標 灯火によってその位置を示し,特定の灯光信号を発して,主として夜間航行の目標とするが,昼間の目標としても十分効力のある構造と彩色を備えている。夜標の種類としては,遠距離からの目標あるいは港湾および沿岸航路の標識となる灯台,暗礁や浅瀬上に設置し,乗揚げを予防する灯標,暗礁や浅瀬を示し乗揚げを予防し安全な航路を表示するブイ形式の灯浮標,沖合または航路上重要な位置に定置する灯船,航行困難な狭水道や狭い湾口,港口などの航路線を2個以上の標識で示す導灯,狭水路などを安全航行できるように可航水路を白光で,その外側危険水域を緑光および紅光で示す指向灯,険礁,防波堤先端などの危険物付近海面を照射する照射灯などがある。航路標識の灯火は一般の灯火と識別しやすいように,また付近にある他の航路標識との誤認を避けるために特定の灯火の色と発射状態(灯質)を決めている。…

【ブイ】より

…水面上に浮かんで位置を標示する浮体をいい,標示内容や方法に応じて浮標,浮環,浮具などとも呼ばれる。ブイには航路標識の浮標や係船浮標のように係留されるものと,救命浮環のように係留されないものとがある。…

※「浮標」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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