化学辞典 第2版 「炭酸ニッケル」の解説
炭酸ニッケル(Ⅱ)
タンサンニッケル
nickel(Ⅱ) carbonate
NiCO3(118.70).二酸化炭素を飽和した炭酸ナトリウム水溶液と塩化ニッケル(Ⅱ)水溶液とを閉管中で140 ℃ に加熱すると無水物が得られる.淡緑色の結晶.水に難溶,酸に可溶.六水和物は硝酸ニッケル(Ⅱ)水溶液に炭酸水素ナトリウムを加えると得られる.六水和物は淡緑色の柱状晶で,酸に易溶.ニッケル(Ⅱ)塩水溶液に炭酸アルカリを加えると,種々の組成の塩基性塩NiCO3・nNi(OH)2を生じる.市販の炭酸ニッケルの組成はNiCO3・2Ni(OH)2・4H2Oで,天然にはザラテ石として産出する.淡緑色の結晶または褐色の粉末.密度2.6 g cm-3.水に不溶,希酸に可溶.窯業におけるうわぐすり,顔料,触媒,ニッケル化合物の原料,めっきなどに用いられる.[CAS 3333-67-3:NiCO3][CAS 12011-78-8:NiCO3・2Ni(OH)2・nH2O]
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報