化学辞典 第2版 「炭酸マンガン」の解説
炭酸マンガン(Ⅱ)
タンサンマンガン
manganese(Ⅱ) carbonate
MnCO3(114.95).二価のマンガンの炭酸塩だけ知られている.天然にはりょうマンガン鉱として産出する(無水物).マンガン(Ⅱ)塩水溶液に二酸化炭素を飽和した炭酸水素ナトリウム水溶液を加えると一水和物が得られる.一水和物は白色の粉末.一水和物の新しく沈殿したものはアンモニウム塩水溶液に溶ける.無水物は,一水和物を二酸化炭素を含む水中で空気を断ち,加圧加熱すると得られる.無水物は淡赤色の結晶.密度3.7 g cm-3.空気中で加熱すると100 ℃ 以下で二酸化炭素を放って分解し,酸化マンガン(Ⅱ)になる.水に難溶,二酸化炭素水に微溶.フェライト原料,うわぐすり,顔料,乾燥剤,飼料添加物,肥料添加物,触媒原料などに用いられる.[CAS 598-62-9]
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報