改訂新版 世界大百科事典 「リョウマンガン鉱」の意味・わかりやすい解説
リョウ(菱)マンガン鉱 (りょうマンガンこう)
rhodochrosite
マンガン鉱石の一つで,化学成分はMnCO3である鉱物。純粋なものは少なく,普通Fe2⁺とCaを含んでいる。六方晶系,菱面体であるが明瞭な結晶はまれで,細密な塊状をなすことが多い。また球状,ブドウ状を呈する。モース硬度3.5~4.5,比重は純粋なもので3.70,通常3.4~3.6,へき開は{10 1}に完全,ピンクないしばら色,橙赤色,黄褐色,半透明。屈折率および複屈折は,含まれるFeの量が増すにつれて増大する。中ないし浅熱水性鉱脈の脈石鉱物として,また高温交代鉱床中や堆積源のマンガン鉱床中にも産する。rhodochrositeはギリシア語rodochrōs(ばら色をなせる)に由来する。
執筆者:柿谷 悟
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