然ん候(読み)サンゾウロウ

デジタル大辞泉 「然ん候」の意味・読み・例文・類語

さん‐ぞうろう〔‐ざうらふ〕【然ん候】

[連語]連語「さ(然)なり」の連用形に動詞「そうろう」の付いた「さにそうろう」の音変化》かしこまって肯定返答をするときに用いる。さようでございます。
「―。この浦の海人にて候」〈謡・海人

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精選版 日本国語大辞典 「然ん候」の意味・読み・例文・類語

さん‐ぞうろう‥ざうら・ふ【然候】

  1. 〘 連語 〙 ( 「さにあり」の丁寧表現「さにさうらふ」の変化した語 )
  2. 応答の語。そうです。さようでございます。はい。
    1. [初出の実例]「『あれにひかへたるは頼政か』『さん候』」(出典:平治物語(1220頃か)中)
  3. 相手のことばや問いかけに答える時の発語。そのことでございます。
    1. [初出の実例]「義盛、ゑみをふくみ『十郎殿のましましけるや。〈略〉これへこれへ』と、請じける。十郎、笏とりなをし、『さん候。もっとも御目にかかり候べきを〈略〉』」(出典:曾我物語(南北朝頃)六)

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