焼きまんじゅう(読み)やきまんじゅう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「焼きまんじゅう」の意味・わかりやすい解説

焼きまんじゅう
やきまんじゅう

皮を焼いたまんじゅう、あるいは文様などの焼き目を皮につけたまんじゅう。駿河(するが)屋の木の葉まんじゅうを焼きまんじゅうと称したのが始まりとされる。この仕法は、甘酒皮で漉し餡(こしあん)を小判形にくるんで蒸し、火にかけた銅の平鍋(ひらなべ)にごま油をひいて熱し、まんじゅうの表皮ヒノキの葉をのせ、鍋に伏せて木の葉の形を白く焼き残すものであった。和歌山県では木の葉まんじゅうを古くは「おやき」ともいった。また米作の少ない埼玉県飯能(はんのう)市、群馬県前橋市、沼田市にかけての北関東地方では、焼きまんじゅうを「みそつけまんじゅう」と称してきた。小麦粉とこうじみそをこね、いろりの灰にくべて焼いたのが始まり。やがて餡なしの酒(さか)まんじゅうに、みそをつけて焼いたものが売り出されるようになった。沼田地方では寛保(かんぽう)年間(1741~1744)、飯能地方では文化(ぶんか)年間(1804~1818)から流行した郷土菓子である。

[沢 史生


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

デジタル大辞泉プラス 「焼きまんじゅう」の解説

焼きまんじゅう

群馬県の郷土菓子。蒸して作った素饅頭を竹串に刺し、甘辛い濃厚な味噌ダレを塗って焼いたもの。

出典 小学館デジタル大辞泉プラスについて 情報

今日のキーワード

大臣政務官

各省の長である大臣,および内閣官房長官,特命大臣を助け,特定の政策や企画に参画し,政務を処理する国家公務員法上の特別職。政務官ともいう。2001年1月の中央省庁再編により政務次官が廃止されたのに伴い,...

大臣政務官の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android