煮売茶屋(読み)にうりぢゃや

精選版 日本国語大辞典 「煮売茶屋」の意味・読み・例文・類語

にうり‐ぢゃや【煮売茶屋】

〘名〙 宿場などの、煮売りを兼業とする茶屋。簡単な食事と、湯茶、酒などを供した店。にうりちゃみせ。
浮世草子傾城禁短気(1711)三「盆の時分祇園八坂の踊にゆきて、鬢の厚い男をつり出し、煮売(ニウリ)茶屋へさそひ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の煮売茶屋の言及

【茶屋】より

…これを,葉茶屋と区別するために水茶屋と呼ぶこともあり,後には家構えの店もできた。茶屋に酒を置き,そのさかなの副食物から主食物までを提供するようになるのは自然の推移で,それぞれ煮売(にうり)茶屋,料理茶屋といい,寛文(1661‐73)ごろに始まっている。これらの茶屋にも給仕女が雇われ,水茶屋には客寄せに美人を置く店があり,江戸で有名な笠森お仙は明和ごろ(1770年前後)の水茶屋女である。…

【煮売屋】より

…手軽な食事と茶や酒を売った店。煮売茶屋ともいう。煮売の語は,浅井了意の《東海道名所記》(1661)に〈在所により家によりて,国の名物,酒,さかな,煮売,焼売〉とあるように,はじめは餅,だんご,あるいは魚などを焼いて売る焼売(やきうり)に対して,魚や野菜の煮物を売る商売をいった。…

※「煮売茶屋」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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