熊井郷(読み)くまいごう

日本歴史地名大系 「熊井郷」の解説

熊井郷
くまいごう

縄文・弥生時代からの遺跡が多いが、郷としては平安時代に国衙領の一部として成立したと思われる。

塩尻市の東北にあるたかボッチ高原の西側山麓を西流する小河川の扇状地の上にあり、現在の北熊井及び南熊井地区がそれにあたる。

文献上の初出は「吾妻鏡」文治二年(一一八六)三月条の乃貢未済庄々注文にある熊井郷で、領主名や庄名がないのは国衙領であったことを物語る。室町時代の宝徳三年(一四五一)一〇月五日府中の小笠原持長は熊井郷等十数ヵ郷の安堵状を諏訪社下社あてに出している。熊井郷が南北に分れる初出である(諏訪大社下社文書)。更に武田氏の支配下に入った天正七年(一五七九)には若宮二之御柱造営分として熊井北方は正物二貫文と四〇〇文、南方は正物一貫文と三〇〇文を寄進している(下諏訪春宮造宮帳)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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