朝日日本歴史人物事典 「熊谷五右衛門」の解説
熊谷五右衛門(初代)
生年:享保4.8.13(1719.9.26)
江戸時代長州(萩)藩の城下町萩の豪商。萩の酒造業熊谷家の5男。赤間関の豪商伊藤杢之允家で家業を修得し,帰萩後,元文5(1740)年に独立した。宝暦4(1754)年に長州藩へ御用銀を上納したのを契機として,明和4(1767)年までの14年間で御用銀1万2310貫目余(約22万3813両)を調達するとともに,年貢米の販売や他国米の買い付けをおこなって領内屈指の豪商となり,大坂の金融市場の閉塞状況のもとで,領内の商業資本と藩財政を結び付ける役割を果たした。明和5(1768)年建築のその邸宅は国の重要文化財。<参考文献>福尾猛市郎『熊谷五右衛門』,『萩市史』1巻
(小川国治)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報