熱ルミネセンス法(読み)ねつルミネセンスほう(その他表記)thermoluminescent dating

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「熱ルミネセンス法」の意味・わかりやすい解説

熱ルミネセンス法
ねつルミネセンスほう
thermoluminescent dating

熱ルミネセンス現象を利用した年代測定法。この年代測定法は,岩石に利用されていたが,1960年 E.J.ケネディが初めて土器に応用した。土器に含まれている放射性元素の発する放射線の量,土器を加熱して発する光の量,その後一定量の放射線を照射してから再び加熱して発する光の量を測定し,これらの測定値から土器の年代を計算する。この方法が土器の年代測定に有効なのは,土器の原料に含まれていた準安定状態に捕えられた電子は,土器をつくるときに熱せられて消滅しているので,現存する土器が発する熱ルミネセンスは,それ以降準安定状態に捕えられた電子によるものであるから,土器を材料にして直接その年代が測定できるためである。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の熱ルミネセンス法の言及

【年代決定法】より

…放射性元素の崩壊は周囲の環境の影響を受けないので,信頼性の高い年代を与える(放射年代)。(b)熱ルミネセンス法 放射線の照射を受けると原子中の電子は安定軌道からエネルギー準位の高い軌道に遷移する。原子が数百℃に熱せられると電子は安定軌道に戻り,そのとき微弱な光を発する。…

※「熱ルミネセンス法」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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