熱発光(読み)ねつはっこう

最新 地学事典 「熱発光」の解説

ねつはっこう
熱発光

thermoluminescencea

加熱された物質が熱放射とは別に光を放出する現象。熱蛍光・熱ルミネッセンス・TLとも。電磁波や放射線照射などの刺激により基底状態から励起され,準安定状態に捕捉されていた不対電子や正孔が,熱活性化により解放されて,再び基底状態に戻るときに光子が放出される。この準安定な電子準位は,発光中心あるいはトラップと呼ばれ,物質中の不純物や格子欠陥・放射線損傷などによって形成される。アルカリ土類金属の硫化物や蛍石・石英・方解石をはじめ,ほとんどの結晶体は多少とも熱発光を起こす。不純物・格子欠陥をまったく含まない純物質・非晶質体(ガラス)ではこの現象はみられない。発光体を一定速度で昇温させたときの発光強度や波長スペクトルを計測する実験を熱発光測定という。熱発光測定のデータの解析は電子スピン共鳴測定と同様に,物質中の電子状態やトラップの深さについての重要な情報を与えるほか,熱発光線量計として放射線の検出や年代測定,鉱物の熱履歴の推定などに応用される。

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参照項目:グローカーブ
参照項目:熱ルミネッセンス法

出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

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