牛深村(読み)うしぶかむら

日本歴史地名大系 「牛深村」の解説

牛深村
うしぶかむら

[現在地名]牛深市牛深町

しも島最南端に位置し、東・南・西は久玉くたま浦・魚貫おにき湾・天草灘に面している。北は久玉村魚貫村に接する。慶安四年(一六五一)の肥後国大道小道等調帳(県立図書館蔵)に「牛深船着何風ニ船百艘程懸ル」とみえ、天然の良港であった。近世初期までは一漁村にすぎなかったが、良港を背景に発展していく。一六世紀末から約二〇年間肥前長崎に在住したイスパニア商人アビラ・ヒロンの「日本王国記」に「実によく囲われているので、いったんその中へはいると船をそこなう風もないくらいである。つまり、小さいうえに、入口がひどく狭い」とあり、どういう船にも向く良港だと記している。慶長国絵図に村名がみえ、正保郷帳に高三四〇石八斗余とある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報