日本大百科全書(ニッポニカ) 「牛頭法融」の意味・わかりやすい解説
牛頭法融
ごずほうゆう
(594―657)
中国、唐代の禅僧。禅宗の一派、牛頭宗の祖。俗姓は韋(い)氏。潤(じゅん)州(江蘇(こうそ)省)延陵(えんりょう)の人。達磨(だるま)―慧可(えか)―僧璨(そうさん)(?―606)―道信(どうしん)(580―651)―法融と承(う)け、その禅は理的な面を兼ねる特色をもつ。初め儒教を学んだが、のち茅山(ぼうざん)(江蘇省)に入って出家し、炅法師(みんほうし)に参じた。空静林にあって、20年間心を一にして瞑想(めいそう)し、643年(貞観17)建康府(南京(ナンキン))の牛頭山幽棲(ゆうせい)寺に入る。のち『法華経(ほけきょう)』『大品般若経(だいぼんはんにゃきょう)』『大集経(だいじっきょう)』などを講じ、奇瑞(きずい)を得たという。顕慶2年閏(うるう)正月23日没。著作に『絶観論(ぜっかんろん)』1巻がある。
[丘山 新 2017年2月16日]