ぼく‐し【牧士】
〘名〙
※発心集(1216頃か)序「とく
浄土に生まれん事、たとへば牧士
(ボクジ)のあれたる駒を随へて遠き境に至るがことし」
※
吾妻鏡‐建暦元年(1211)五月一九日「小笠原御牧々士与
二奉行人三浦平六兵衛尉義村代官
一有
二喧嘩事
一」
※
御触書寛保集成‐二四・享保八年(1723)
八月「小金牧場之内、〈略〉諸事可
レ及
二差図
一候、牧士とも之内」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
世界大百科事典(旧版)内の牧士の言及
【糠部】より
…またこの制は馬を飼養する牧の制に由来するといわれているが,これも明らかではない。しかし古来糠部の駿馬が有名だったことは事実であり,中世にも七戸御牧,種市牧などが見え,〈牧士〉という特殊な職が置かれ,牧士田というものが設定されていた。この地方が特殊な馬牧地帯だったことは疑いない。…
【牧】より
…
[古代の公牧]
牧には公牧と私牧とがあるが,律令制の整備につれて公牧の制度は急速に整い,《続日本紀》慶雲4年(707)3月条に〈(てつ)の印を摂津,伊勢等23国に給いて牧の駒,犢(こうし)に印せしむ〉とみえる。令制の牧は〈厩牧令〉によると,牧ごとに長1人,帳1人をおき,馬,牛それぞれ100頭の〈群〉について各2人の牧士を配した。牧長,帳は春秋に禄を与えられ考課をうける官人であるが,実例では郡司級の地方豪族が用いられており,任期も定められていない。…
※「牧士」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」