日本歴史地名大系 「犬懸ヶ谷」の解説 犬懸ヶ谷いぬかけがやつ 神奈川県:鎌倉市浄明寺村犬懸ヶ谷[現在地名]鎌倉市浄明寺犬駈(いぬかけ)ヶ谷・衣(きぬ)(絹)掛(かけ)ヶ谷ともいう。杉本(すぎもと)寺の南方、釈迦堂(しやかどう)ヶ谷の東隣にある谷。地名は、狩猟のとき犬が駆回ったのに由来すると伝承する。「平家物語」「源平盛衰記」には、治承四年(一一八〇)三浦氏と畠山氏とが小坪(こつぼ)(現逗子市)で合戦したとき、三浦小次郎義茂は「犬懸坂」を越えて名越(なごえ)に出、浜の様子を見たとあり、曼荼羅供作法奥書(県史一)には寛元元年(一二四三)七月二三日「於相州鎌倉犬黙草堂」がみえ、「吾妻鏡」同三年三月一六日条には、藤原頼経が二所奉幣の使者を立てるに先立ち、精進のため日光山別当の「犬懸谷坊」に入ったとある。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報 Sponserd by