精選版 日本国語大辞典 「犬狩」の意味・読み・例文・類語
いぬ‐がり【犬狩】
- 〘 名詞 〙
- ① 平安時代、蔵人(くろうど)が滝口(たきぐち)、所衆(ところしゅう)などを従えて宮中に住む野犬を追い払う行事。
- [初出の実例]「犬狩事。無二仏神事一之時并休日御物忌等之間、随レ仰召二仰左右近陣官一行レ之。滝口等相二従一レ之。蔵人等追二御所犬一、所二狩獲一併召二左右衛門官人一令レ放二流一レ之」(出典:侍中群要(1071)一〇)
- ② 近世、奈良において毎年初夏、神鹿(しんろく)の分娩期に、生まれてくる子鹿が犬に害されるのを防ぐために、奉行所から布令を出して野犬を追い払わせたこと。
- [初出の実例]「犬かり在レ之」(出典:多聞院日記‐天正七年(1579)五月三日)
- ③ 狂犬や野犬を組織的に捕殺すること。
- [初出の実例]「特警隊を中心に大掛りな犬狩りが行われた」(出典:制服(1970)〈加賀乙彦〉二)