朝日日本歴史人物事典 「玄慶」の解説
玄慶
生年:建保6(1218)
鎌倉中期の真言宗醍醐流の声明家。号は式部法印。醍醐流声明を任賢の弟子聖海より受け,大勢の弟子に伝えた。南山進流声明も慈業の弟子から学んでいる。箏なども学び,音律全般に造詣が深かったらしい。建長6(1254)年,醍醐流の『声明集』を任賢以来の譜本を用いて編纂し,これは以後の教則本的なものとなった。醍醐寺には,その写本が多く存在する。聖尊編述による『音律菁花集』(『大正新修大蔵経』84巻所収)の巻末には,玄慶の関与した「変音事」の記事がみえる。
(高橋美都)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報