玉城城跡(読み)たまぐすくじょうあと

国指定史跡ガイドの解説


沖縄県南城市玉城にあるグスク(城)跡。沖縄本島南部、知念半島の標高180mの丘陵上に営まれ、別名「アマツヅグスク」という。琉球開闢(かいびゃく)の神・アマミキョが築いたという伝承があり、琉球王国の聖地巡礼である東御廻り(あがりうまーい)の霊場とされていたことから、古代祭祀を研究するうえで貴重な遺跡とされ、1987年(昭和62)に国の史跡に指定された。築城の年代は不明だが、英祖王統(1260~1349年)の第4代目・玉城王が居住し、城を修築拡大していったといわれる。城は自然の断崖を利用して築かれ、西北が崖、東方の傾斜地に高い石垣を積みあげ、段々状に上から一の郭(くるわ)、二の郭、三の郭を配置している。二の郭と三の郭は、戦後、米軍施設建設のための建築用石材として取り壊され、現在、石垣の根石を残すだけである。一の郭は保存状態がよく、自然石を穿ってできた城門と切り石積みや野面(のづら)積みの城壁が残り、郭内には、「天つぎあまつぎの御嶽(うたき)」がある。沖縄のグスクは単純に軍事的なものというより祭祀的性格をもっていることが指摘されるが、玉城城も城としてよりも宗教的要素が強かったのではないかと考えられている。那覇空港から車で約50分。

出典 講談社国指定史跡ガイドについて 情報

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