玖延寺(読み)きゆうえんじ

日本歴史地名大系 「玖延寺」の解説

玖延寺
きゆうえんじ

[現在地名]天竜市二俣町阿蔵 大栗

阿蔵あくら川右岸、阿蔵集落の最奥に所在する曹洞宗寺院。阿蔵山と号し、本尊釈迦如来。開山増善ぞうぜん(現静岡市)三世僊林恵椿、開基は今川家臣の二俣近江守昌長という(遠江国風土記伝)。永正一八年(一五二一)一月二八日の某禁制写(玖延寺文書)の宛所に「玖延寺」とみえ、寺域の阿蔵谷への立入や城(二俣城か)の被官人の狼藉を禁じている。恵椿は大永六年(一五二六)に今川氏親が没したあと、起骨の仏事を執行しており(「今川氏親葬儀記」増善寺蔵)、氏親と密接な関係にあった当寺は今川氏の北遠支配の拠点の一つであったと考えられる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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