環境保健(読み)かんきょうほけん(その他表記)environmental health

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「環境保健」の意味・わかりやすい解説

環境保健
かんきょうほけん
environmental health

人間に密接な関係をもつ環境の要素を明らかにし,人間への影響と有害なものへの対策を講じる学問公害による大気汚染水質汚濁騒音振動悪臭地盤沈下土壌汚染などをはじめ,地球温暖化酸性雨など,扱う範囲は広い。環境保健における科学的判断には,アメリカのナショナルアカデミーで定型化されたリスクアセスメントの考え方が適用されている。具体的には,(1) 有害作用の発見と同定,(2) 環境要因の量と反応の関係の検討,(3) 暴露量の検討,(4) 以上の結果から実際に起りうる障害の程度の評価 (リスクの判定) ,の4段階を行う。これとは別に,行政による規制や対策はリスクマネジメントと呼ばれ,区別される。

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世界大百科事典(旧版)内の環境保健の言及

【公衆衛生】より


[公衆衛生の方法と分野]
 公衆衛生の方法としては,おもに集団を対象として取り扱う方向からの接近がなされ,健康事象およびそれに影響を与える種々の要因についての資料,情報を収集し,処理を行い,健康水準の評価から,それぞれの問題についての管理基準を設けたり,対策を立てたりする。 公衆衛生の具体的な内容としては,すべてが明確に区分されてはいないが,大別して環境保健,対人保健および社会の公私の組織活動の3分野がある。(1)環境保健 主として地域社会の物理・化学・生物学的環境を扱うもので,伝染病対策と環境改善による健康の維持向上をはかるものである。…

※「環境保健」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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