デジタル大辞泉
「地球温暖化」の意味・読み・例文・類語
ちきゅう‐おんだんか〔チキウヲンダンクワ〕【地球温暖化】
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地球温暖化
熱を吸収する性質がある二酸化炭素(CO2)など温室効果ガスが大気中に蓄積し、地球全体の平均気温が上がる現象。温暖化が進行すると極端な高温や大雨が増えるとされ、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は、将来の気温が4度上昇すれば「10年に1回」とされる極端な高温は9・4倍に、1日当たりの激しい降雨は2・7倍に高まると予測する。世界の平均気温は産業革命前と比べ約1度上昇していると指摘され、温室効果ガスの排出削減対策の強化が急務となっている。(共同)
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ちきゅう‐おんだんかチキウヲンダンクヮ【地球温暖化】
- 〘 名詞 〙 地球表面の気温が上昇して気候が変わっていく現象。二酸化炭素・メタンなど温室効果のあるガスの増加が原因とされ、海水面の上昇、農業・森林への悪影響が予想されている。→温室効果
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地球温暖化
ちきゅうおんだんか
化石燃料の大量使用によって大気中に放出された二酸化炭素(CO2)などが地球から宇宙への熱の放出の一部を留めることで地球大気の温室効果が進み、気温が上昇すること。大気中の水蒸気は別として、温室効果の主役はCO2であるが、メタン、フロンなど温室効果が大きい他のガスもあり、まとめて「温室効果ガス」とよばれる。気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の最新報告書(第6次評価報告書第1作業部会報告書、2021年)によれば、産業革命(工業化)以降から最近までの気温上昇は約1.1℃とされる。また、温室効果ガスの排出が大幅に削減されない限り、21世紀中に地球温暖化による気温上昇は1.5℃および2.0℃を超える、とIPCCは分析している。
温室効果と地球温暖化は古くから議論されていたが、1980年代に経験した世界的な高温という異常気象に関連して、温室効果と大気中のCO2増加の問題が国際政治の舞台に登場してきた。一方、地球温暖化の科学的評価の問題では、IPCCによる評価などを中心に世界的な議論と検討が進められてきた。前出IPCCの第6次評価報告書では、「人間の影響が大気、海域および陸域を温暖化させてきたことに疑いの余地はない」という従来以上に踏み込んだ評価を下している。また、2019年の大気中のCO2濃度は410ppmに達しており、工業化前より47%濃度が上昇した、とも指摘している。
なお、地球温暖化については、温室効果ガス排出による影響のほかに、長い時間スケールで地球が温暖化するか否かを示す気候変動の要因として、太陽活動によって地球大気が受けとる日射量の微変動もとりあげられている。そのほかに大気中に浮遊するエーロゾル(煙霧質。固体または液体の微粒子。エアロゾルともいう)による影響(日射の大気圏外への再反射による大気冷却やエーロゾルによる雲の生成の形や雲量への影響)もあり、大気中のエーロゾルの増減も気候変動の議論では注視されている。さらに、地表面に関する現象としては森林、砂漠、雪氷表面積の増減なども、大気と地表面との熱の授受の変動に関連し、気候変動に影響する要因となっている。これらの要因はすべて全地球的な詳しい観測が必要であり、今後の気候変動・地球温暖化の科学をめぐる議論でさらに分析を深めていく必要がある。
[岸保勘三郎・小山 堅 2022年1月21日]
化石エネルギー(石炭、石油、天然ガス等)の燃焼などによって大気中に排出されるCO2等のガスが増加することにより、温室効果が発生する。その結果、地球の温度が上昇し、海面上昇や異常気象の発生など、地球全体および人類にとっての重大問題が惹起(じゃっき)されると考えられる諸問題のこと。
この問題が世界的に大きな注目を浴びるようになったのは、1988年のトロント・サミットで議題の一つとして取り上げられてからであり、同年にはIPCCが設置されて各国政府間での議論が急速に展開されるようになった。
このような背景もあって、1992年6月ブラジルのリオ・デ・ジャネイロで開催された環境と開発に関する国連会議(地球サミット)で、温室効果ガスの排出量を20世紀末までに1990年レベルに戻すことを目標として各国政府間で合意がなされ、世界155か国の代表が気候変動枠組み条約に署名した。同条約に基づき、締約国会議(COP)が開催されるようになり、1997年(平成9)第3回会議(COP3)が京都で開催され、2010年前後の温室効果ガスの法的拘束力をもつ削減目標などを定めた京都議定書が採択された。世界で初めての地球温暖化防止のための国際的枠組みとなった京都議定書だが、拘束力をもつ排出削減が課せられたのは日本やヨーロッパ連合(EU)などごく一部の国に限られた。その後、2020年以降のより長期を目標にした国際合意の形成が目ざされ、2015年のCOP21(パリ開催)で、気温上昇を2℃より十分低くし、1.5℃に抑える努力をすることを目ざすこと、各国が自発的に温暖化ガスの排出削減目標を作成して提出することを定めた「パリ協定」が成立した。パリ協定には200近い国が参加することになった。その後、世界的な異常気象の頻発などもあって気候変動への対処がより重要視されるようになり、気温上昇を1.5℃に抑えるために温室効果ガスの排出を実質ゼロにする「カーボンニュートラル」を目ざす政策が世界の関心を集め、2020年には日本、EU、アメリカ、中国など主要国がカーボンニュートラルを目ざす方針を発表している。また、2021年に開催されたCOP26に向けて、インドネシア、サウジアラビア、ロシア、オーストラリア、インドなども、カーボンニュートラルの目標を発表した。
[岸保勘三郎・小山 堅 2022年1月21日]
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地球温暖化【ちきゅうおんだんか】
石油・石炭などの化石燃料の大量使用などによって地球大気の温室効果が進み,気温が上昇すること。温室効果の中心となる物質は化石燃料の燃焼によって発生する二酸化炭素,メタン,フロン,亜酸化窒素などである。とくに二酸化炭素は,1991年時点の全世界の排出量が61.9億tC(炭素換算トン)と推定され,1950年から約4倍に増大している。1880年代からの100年間に地球の平均気温は0.3〜0.6度上昇,これに伴い海水面も海水の熱膨張などによって10〜20cm上昇した。《気候変動に関する政府間パネル》(IPCC)の予測によれば,大気中の二酸化炭素が現在のペースで増加すれば,21世紀末に平均気温は約3度上昇し,海水面は30cmから最高で1m上昇することになり,いくつかの島嶼(とうしょ)や都市の低地部では,何千万人もの住民が移住を余儀なくされる可能性もある。また世界中の生態系に影響を与え,異常気象が発生すると考えられている。2006年英国のニコラス・スターンが英国政府に提出したスターン報告では今世紀末まで温暖化を放置すれば世界のGDPの2割に相当する巨額の損失を被るという報告がなされている。発展途上国と先進工業国の経済的・政治的利害の対立等があり,地球環境問題の中で最も解決の難しい問題だが,解決のための国際的協調の枠組み作りが緊急に求められている。とりわけ経済成長で世界を牽引する,中国,インドの二大国の動向が鍵といわれる。→地球温暖化防止条約
→関連項目火力発電|環境税|環境難民|環境保全型社会|グリーンピース|経団連地球憲章|産業公害|3R|生態系破壊|生物多様性|節電|総合地球環境学研究所|太陽光発電|炭素税|地下資源|地球環境ファシリティ|低炭素社会|熱帯雨林|フロン代替材料
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地球温暖化
ちきゅうおんだんか
global warming
地球全体で平均した地上気温(世界平均気温)の上昇傾向と,それに関連する気候の変化。水蒸気,二酸化炭素,メタン,亜酸化窒素(一酸化二窒素),フロンガス類など大気中の微量気体は,地球へ入射する太陽エネルギーの短波長成分を透過し,地球から反射する長波長成分を吸収する性質がある。この作用のため,地球の温度はそれらがない場合に比べて 33℃程度高めに保たれている。この効果を温室効果といい,これらの気体を温室効果ガスと呼ぶ。化石燃料使用の増加,森林伐採(→森林破壊)の増加,農業など人間活動の活発化,フロンガス類の使用などにより,大気中における温室効果ガスの急激な増加が観測されており(→二酸化炭素濃度の増加),このままでは温室効果が増大し,全地球的な気温の上昇とそれに伴う海面上昇,環境的・社会経済的影響が予想される。その原理は 19世紀末にスバンテ・アレニウスにより指摘されていたが,1950年代後半から開始された大気中の二酸化炭素濃度測定や,1970年代以降の全球的温度上昇傾向観測で問題が指摘され,1988年より気候変動に関する政府間パネル IPCCによって,科学的知見,影響予測,対応策の検討がなされた。1989年には大気汚染と気候変動に関する閣僚会議でノールトベイク宣言が採択,地球温暖化対策への国際的取り組みが強調され,1992年の気候変動枠組条約の採択につながった。この条約に基づき,1995年以降,気候変動枠組条約締約国会議 COPが毎年開催され,1997年の第3回締約国会議 COP3で京都議定書が,2015年の第21回締約国会議 COP21ではパリ協定が,それぞれ採択され,温室効果ガス排出量削減の数値目標など定めた国際的取り決めがなされた。温暖化は,影響が広範にわたること,二酸化炭素排出量の削減などの対応策がエネルギー使用制限に大きく関連し,経済成長に制約を与えるおそれのあることなどから,地球環境問題の中でも最も重要な国際的課題となっている。
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知恵蔵
「地球温暖化」の解説
地球温暖化
世界の年平均気温はこの100年間に約0.6℃、日本では約1℃上昇した。太陽光で暖まった地表から大気中に放出された赤外線が、途中で二酸化炭素などの温室効果ガス(GHG:greenhouse gases)に吸収される。その時に出る熱エネルギーが地表を暖める。温室効果ガスがなければ地球の平均気温はマイナス18℃といわれ、微妙な安定の中で地球の生態系が維持されてきた。産業革命以来、化石燃料を大量に使うようになり、温室効果ガスの濃度が高まった。産業革命前の二酸化炭素濃度280ppmv(1ppmvは体積比で100万分の1の含有率を指す)が、2000年は370ppmv。世界の二酸化炭素の排出量252億tのうち米国が22.8%、EUが13.6%、日本が4.9%、中国は16.4%を占める(03年)。国際的な専門家で作る気候変動に関する政府間パネル(IPCC:Intergovernmental Panel on Climate Change)が01年に公表した第3次報告書では、このまま温暖化が進むと2100年頃までに年平均気温は1.4℃から5.8℃上昇し、(1)最高気温の上昇や熱波の増加、(2)干ばつや洪水の増加、(3)生態系の崩壊とサンゴ礁や湿地など沿岸生態系の消失、(4)海面上昇による被害の増大などを予測。
地球温暖化
地球表面の気温が上昇して気候が変わる現象。原因は化石燃料の燃焼と、焼き畑耕作などによる二酸化炭素やメタン、フロンなどの温室効果ガスの放出、森林破壊、砂漠化など。IPCC(気候変動に関する政府間パネル)地球温暖化報告書などによると、1990年以降、年平均気温が急上昇し、過去100年に世界で0.7℃、日本で1.0℃上昇、2004年の日本沿岸の海面水位は過去100年の平均に比べ6.7cm高く、過去最高。温暖化は異常高温、豪雨や干ばつ、海面上昇などをもたらし、マラリアの発生地域の拡大、熱中症の増加など健康にも影響を及ぼす。 【世界の年平均地上気温の平年差の経年変化】 (1971〜1980) -0.26、-0.14、-0.02、-0.29、-0.24、-0.33、-0.04、-0.13、-0.01、0.02 (1981〜1990) 0.06、-0.06、0.09、-0.09、-0.11、-0.02、0.14、0.12、0.05、0.19 (1991〜2000) 0.12、-0.02、0.01、0.08、0.16、0.06、0.24、0.37、0.15、0.15 (2001〜2006) 0.27、0.31、0.31、0.27、0.32、0.31
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