日本大百科全書(ニッポニカ) 「甘々棒」の意味・わかりやすい解説
甘々棒
かんかんぼう
きな粉飴(あめ)の一種で、岐阜県高山市の名物。長さ20センチメートルほどの棒飴で、両手に1本ずつ持ってたたきあわせると「カンカン」と音をたてるからカンカン棒、それが甘々棒に変わったというユーモラスな駄菓子である。幕末の弘化(こうか)年間(1844~48)に、尾張(おわり)国(愛知県)犬山のげんこつ飴が飛騨路(ひだじ)に移入された。これは麦芽飴で、頬(ほお)返しのつかないほど大きなものである。この麦芽飴を飛騨特産の青大豆(あおだいず)を使ったきな粉飴とし、げんこつ飴と同量分の飴を、高山祭に引き出される屋台のかじ取りに使う丸太「大でこ」に模し、延ばしたのが甘々棒である。
[沢 史生]