種子島,屋久島,沖縄などでサトウキビから作られる含蜜糖の一種で,粗製で黒色塊状の砂糖。別名黒糖ともいい,日本独特の砂糖である。従来,家内工業的に製造されていたが,第2次大戦後,黒糖製造も工業的規模で行われるようになってきた。前者を旧式黒糖製造法,後者を新式黒糖製造法と呼んでいる。新式法では,原料のサトウキビをケーンカッターおよびシュレッダーで細裂し,三重~四重圧搾機を用いて搾汁する。この後清浄,蒸発,かくはん冷却をして30kg単位で段ボールに箱詰する。黒糖は特有の香りと色を有し,結晶は小さく舌ざわりのよいものが良質とされている。吸湿性があり保存性はよくない。蔗糖,転化糖の甘みのほかに,不純物による複雑な風味を有する。平均的な成分組成は,蔗糖80~87%,転化糖2.0~7.0%,灰分1.3~1.5%,水分5.0~8.0%などで他と比較して蔗糖分が低いのが特徴である。かりん糖,あめ玉,ようかんなどの菓子類に用いられる。似たような製品として欧米にブラウンシュガーがあるが,これは分蜜糖に蜜を添加して作るもので,風味は似ているが製法はまったく異なる。
執筆者:貝沼 圭二
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
黒糖(こくとう)ともいう。サトウキビの搾り汁をそのまま煮つめて、固形化した含蜜糖の一つ。黒褐色であるためこの名がある。糖蜜を含むため、特有の香りと、いくぶん苦味をもった濃厚な味をもつ。奄美(あまみ)大島、沖縄各地で生産され、主としてパン、菓子用に用いられる。
[河野友美・大滝 緑]
…テンサイ糖は,ほとんどの場合耕地白糖である。大規模な工業生産の場合にはこのようになるが,伝統的な小規模生産の場合には,サトウキビからの搾汁をそのまま濃縮する黒砂糖,赤砂糖などと呼ばれるものが作られる。近代工場で製造されるものは,遠心分離機を用いて,結晶と蜜(みつ)を分離するので分蜜糖と呼ばれ,黒砂糖の場合には,糖蜜分をもそのまま煮詰めて固めるために含蜜糖と呼ばれる。…
※「黒砂糖」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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