日本歴史地名大系 「生口浜」の解説 生口浜いくちはま 広島県:豊田郡瀬戸田町生口浜瀬戸田(せとだ)浜ともいわれ、生口島・高根(こうね)島と三原市佐木(さぎ)島にあった塩田の総称である。芸備地方で初めて入浜塩田が開発されたのは、慶安三年(一六五〇)の竹原(たけはら)塩田(現竹原市)である。生口島における入浜塩田の開発も比較的早く、寛文一〇年(一六七〇)から同一二年にかけて南生口の御寺(みてら)村に一軒、北生口の林(はやし)村に三軒、高根島に一軒が築調されている。次いで、延宝三年(一六七五)から天和三年(一六八三)にかけて、主として北生口の林・生口中野(いくちなかの)・沢(さわ)・茗荷(みようが)・鹿田原(しかたばら)の諸村および佐木島向田野浦(むこうたのうら)などに二五軒ができ、また、元禄三年(一六九〇)から同九年にかけて沢・茗荷・林の諸村に七軒の新浜が築調。こうして生口島・高根島・佐木島の塩田(生口浜)も近世中期には軒数三七軒、面積二五町四反三畝二七歩、塩浜高は三二六石三斗五升八合となっている(宝永二年豊田郡生口島瀬戸田町塩浜年数「日本塩業大系」所収)。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報 Sponserd by