産褥期精神障害(読み)さんじょくきせいしんしょうがい(その他表記)Puerperal Psychosis

家庭医学館 「産褥期精神障害」の解説

さんじょくきせいしんしょうがい【産褥期精神障害 Puerperal Psychosis】

 産後の精神障害は、つぎの3つに大別されます。
マタニティーブルー
 産後3~4日から3週間程度で発症します。症状は、涙もろさ、抑(よく)うつ気分、不安、軽い知的能力低下(集中困難、のろさ、忘れっぽさ)です。約半数の人に現われますが、多くはとくに治療しなくても、数日で自然に解消します。
産後うつ病
 産後3か月ごろまでに発症します。症状は、睡眠困難や疲労感、活動レベルの低下、興味や楽しみの喪失、自責感、思考力や集中力の減退などです。とくに「母親として十分赤ちゃんの世話ができない」などの自己評価の低下、「これは自分の赤ちゃんではない」といった妄想(もうそう)、母子心中や嬰児(えいじ)殺しを含めた自殺の考えが浮かぶことが特徴です。頻度は3%程度で、精神薬物療法が必要となります。
■産後精神病
 多くは産後2週間以内に発症します。症状は不眠、不穏(ふおん)、疲労、気分の急速な変動などで始まり、妄想、錯乱(さくらん)といった本格的な精神病状態になります。頻度は1000回の出産に1~2例といわれ、入院および精神薬物療法が必要となります。

出典 小学館家庭医学館について 情報

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