田夫物語(読み)でんぷものがたり

世界大百科事典 第2版の解説

でんぷものがたり【田夫物語】

仮名草子。作者不詳。寛永年間(1624‐44)か。問答体の形式をとる男色女色の優劣論。書名由来は,男色愛好者が〈華奢者(きやしやもの)〉(風流な伊達者)であるのに対し,女色支持者を〈田夫者〉(田舎者)と規定することによっており,当時の衆道の流行ぶり,それを風流とみる風潮もうかがえる。たがいに相手をののしり,和漢故事を引いては自己を権威づけ,みずからの正当性を主張する論争は,最後は常識的な女色側の勝ちとなるが,この両色優劣論は,八文字屋本に至るまで幾度となく繰り返し取り上げられるテーマであった。

出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報

関連語をあわせて調べる

今日のキーワード

大学入試センター試験

国立大学の共通第1次学力試験制度は、1979年度に導入された。入学試験を第1次と第2次とに分け、第1次試験は大学入試センターが共通学力試験を実施。第2次試験は各大学がきめ細かな入学者選抜を行うことを目...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android