由木郷(読み)ゆぎごう

日本歴史地名大系 「由木郷」の解説

由木郷
ゆぎごう

多摩川支流の大栗おおくり川上流に所在した中世の郷村で、現上柚木かみゆぎ・下柚木にあたる。京都東福寺領船木田ふなきた庄のうちで、至徳二年(一三八五)一二月二五日の船木田庄年貢算用状(東福寺文書)に新庄分の「由木郷」がみえ、年貢「肆貫五百文」の納入が記載されている。のち武蔵守護代の系譜をひく大石氏の支配下となり、天文一七年(一五四八)五月八日の大石道俊書状写(佐野家所蔵文書)によれば、道俊は小田野新右衛門尉に「由来之内、別所谷并堀之内分手作之所」を安堵している。また由木には大石氏の庇護をうけた永林えいりん寺や伝大石信濃守屋敷跡が所在し、大石氏の支配が強く及んでいた。大石氏の衰退後、北条氏の領国に編入された。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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