甲越峠
こうごえとうげ
古代山陽道が荒山(現瀬野川町中野)から安芸国府(跡地は現安芸郡府中町)に越えるところにある峠で、茶臼山の南に位置する。「芸藩通志」は「国府こえ」と記し、甲は国府に由来すると考えられる。標高二〇〇メートル。山陽道がこのルートをとったのは、荒山駅と国府を最短距離で結ぶことができたからで、国府の政治的機能の低下に伴い、このルートは衰退、南北朝時代頃を境に幹線道路は海田(現安芸郡海田町)・船越の海岸を通るルートになっていったと思われる。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
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