家庭医学館 「男性仮性半陰陽」の解説
だんせいかせいはんいんよう【男性仮性半陰陽 Male Pseudohermaphroditism】
両側の性腺(せいせん)が精巣(せいそう)(睾丸(こうがん))であるのに、内生殖器や外生殖器に女性の性器をもつ先天異常です。外生殖器が完全な女性型を示すものから、ほぼ男性型を示すものまでいろいろあります。
男性仮性半陰陽の1つの型である精巣性女性化症(せいそうせいじょせいかしょう)では、男性ホルモンの受容体がないので、外生殖器になる組織が男性化しません。典型的な例では、外生殖器は盲端(もうたん)におわる腟(ちつ)があり、子宮はなく、内生殖器は男性型です。二次性徴(にじせいちょう)は女性型(女性化乳房などがみられる)を示しますが、月経(げっけい)はありません。不完全な型では、外生殖器が男女中間型をしています。
診断には染色体検査、内分泌(ないぶんぴつ)検査、男性ホルモン受容体の検査が必要です。
精巣性女性化症以外の男性仮性半陰陽では、外生殖器は男女まぎらわしい形のものから、ほぼ完全に男性型を示すものまであります。先天性副腎皮質過形成(せんてんせいふくじんひしつかけいせい)による男性半陰陽もあります。
[治療]
染色体検査、ホルモン検査などを行なって、本来の性を調べますが、一般的には、外生殖器の形にしたがって、戸籍上の性を決め、それに合わせて、性腺の摘出や外生殖器の形成手術を行ないます。